AQUA FAB | Aqua Clara PRODUCT 「ウォーターサーバーにおける、未来の当たり前をデザインする」

水を通じて“生活”“環境”“健康”の創造を目指すアクアクララ株式会社。これまでにも様々なウォターサーバーを開発してきた同社の「5年後も色褪せないデザイン性を追求したウォーターサーバーを開発したい」というご要望を踏まえ、次期サーバ―のプロダクトデザイン・開発をお手伝いし、2018年5月「AQUA FAB(アクアファブ)」がリリースされました。

プロダクトをデザインするにあたって、単に表層だけをリニューアルするのではなく、ウォーターサーバーというプロダクトが抱える既存の課題の見直しと解決、そして、ウォーターサーバーにさらなる付加価値を付けられるようにリニューアルを行いたいと考えました。そして、「既存のウォーターサーバーの形が本当に水のある生活の理想なのか?」を問い直し、アクラクララが描く水のある生活を、もう一度見直し、未来への視座を体現できるプロダクトをデザインすることを目指しました。


【コンセプト】
指向性よりも当たり前を。驚きよりも心地良さを。
目指すのは、現代の当たり前のウォーターサーバーではなく、未来の当たり前となるウォーターサーバー。

それは、どのような文化圏にもミニマルに存在するホワイトキューブのように、日本のどのような生活空間にも設置できる、空間的齟齬をうまないシンプルなウォーターサーバー。そして、多様な世代、多様な嗜好性を包括しながらも、未来の中にある水のある豊かな生活文化の下支えとなるようなプロダクトです。

約1年半の年月を経て、ひとつひとつの課題を解決しながらデザイン・開発を進めたウォーターサーバー「AQUA FAB(アクアファブ)」。
空間・性別・年代を問わず、どのような空間にも馴染むホワイトキューブをモチーフとして、生活領域の中でミニマルに存在できる自然で美しいデザインを目指しました。
今までウォーターサーバーを使っていなかった方にも是非ご覧いただき、ご自宅やオフィスに置いていただけたら幸いです。

【商品詳細はこちら】https://www.aquaclara.co.jp/fab/

 

1) 空間の中の違和感からの解放
ウォーターサーバーは水を注ぐという機能から設置場所が非常に限られますが、その役割故に、働く空間や住空間の中で、強い存在感を持って存在している状況を解決したいと考えました。ウォーターサーバーをもっとジェネラルでもっと汎用的な存在にできないか?その問いから生まれたのは、白い柱のようなウォーターサーバー。空間に白い柱があっても誰も気に留めません。意識から消失していく、マイナス方向のデザインを心がけました。白い柱のようなミニマルなウォーターサーバーとして、大きなデザイン要素となったのは部材同士の継ぎ目であるパーティングライン。製造上どのような思想で部材を分割し、ラインをとるかと考えた時に、現在のキューブ状のデザインが誕生しました。また、その他のパーティングラインは極力揃え、余計なラインを出さないように注力しています。

また、元々、側面の素材は構造の都合上、鉄板の予定でしたが、構造設計にも携わることで、側面も含めた全ての材質を揃え、白い柱として違和感がないデザインを実現しました。
また、空間での違和感をなくすための工夫として、底部のスカートをつけていません。耐荷重、重心位置、転倒時の角度計算を検討することで、スカートがなくても自立できるデザインに仕上げました。

 

2) ウォータートレイ(水受け)による制約からの解放
既存のウォーターサーバーは凹部分によるウォータートレイ(水受け)がついている製品がほとんどですが、鍋やコップの形状によって制約を受けることや、構造的に壁面が意匠面として成立しない、というマイナス面も併せ持っていました。俯瞰して水を用いたプロダクトを調べてみると、ポットなど水受けを持たない製品も多く存在します。

そこで、今まで常設されていたウォータートレイ(水受け)を収納型にすることで、どんな容器に対しても取水をしやすい機能とミニマルな意匠性の両立を実現しました。デザイン上では、引き出し口の部分にこだわり、小さいニッチを作って両側から引き出せるようにし、使いやすさとシンプルさを両立しています。

 

3) フォーセット(取水口)のリデザイン
ウォーターサーバーを使う上で日常的にもっとも利用する部分はフォーセット(取水口)です。水を注ぐ、という行為が心地よく感じられるフォーセットはどのような形であるべきか?
色々と検討を重ねた結果、辿り着いたのは、ビールサーバーのようなコック式のフォーセットでした。白い柱のようなウォーターサーバーのデザインに沿う形でシルバーでミニマルなデザインを採用すると同時に、従来のウォーターサーバーより、フォーセットの位置を高くすることで、より楽な体勢での取水を可能としました。

カラー設計については、白黒の階調の中に、すべての色彩を吸収できるという思想のもと、どんな部屋の色でも受容できることを考えて、ブラックとホワイトの2色展開としました。

ART DIRECTION
CREATIVE DIRECTION
DESIGN

Credit

Creative Director + Art Director: Seitaro Yamazaki/ Designer: Seitaro Yamazaki/ Director: Asuka Kobayashi/ Naming: Tsuyoshi Harada/ Modeling + Design: Yuki Ishiguro ( THE FUJA )/ Photographer: Akihiro Kawauchi/ Agency: Collage Inc./