写真家沢田教一展 その視線の先に | 朝日新聞社 PRINT セリフをタイポグラフィの手法を用いて作品化し、
写真と言葉を同等に扱う展示グラフィック。

朝日新聞社主催の「写真家沢田教一展 その視線の先に」は、2017年8月16日~8月28日まで日本橋高島屋で開催され、ベトナム戦争の報道写真で活躍し、母子が戦火を逃れて川を渡る様子をとらえた「安全への逃避」でピュリツァー賞を受賞したカメラマン沢田教一の作品や遺品など合わせて約180点を展示しました。本展では、妻・サタさんの全面協力のもと、戦場カメラマンとして名を知られる沢田の別の側面…傷つく市民や故郷・青森の風景、東南アジアの人々の笑顔などを切り取った沢田の眼差しにもスポットを当て、サタさんをはじめ関係者の証言を紡ぎながら、34歳で殉職した沢田の業績をたどっています。

本展覧会の開催にあたり、エントランス及びキャプションデザインを担当しました。「新聞社ならではの展示に」という意向を受け、当時、沢田とその周辺で交わされた言葉たちに着目し、各セリフをタイポグラフィの手法を用いて作品化することで、写真と言葉を同等に扱う試みをしました。

さらに、沢田本人のセリフと他者に語られたセリフとの差異を出すために、沢田本人のセリフは、一度出力したデザインを、写真で撮りなおして取り込み、加工するという、アナログの一手間を加えることで、ファインダー越しの沢田から発せられた言葉に“生”を与えられるよう工夫しました。

エントランスには、ベトナム戦争勃発時の新聞記事をあしらい、臨場感のあるデザインに。当時の空気感や情感を、セリフと写真で生き生きと表現した本展示は、連日約2000名以上が来場しました。

ART DIRECTION
COMMUNICATION PLANNING
CREATIVE DIRECTION
GRAPHIC DESIGN

Credit

Creative Director + Art Director: Seitaro Yamazaki/ Director: Nanae Yoshida/ Designer: Hiroyuki Aketa/