3D Explorer | PreXion PRODUCT 既存の歯科用CTの枠組みに当てはまらない、
デザイン最上位の歯科用CT開発。

医療画像診断機の開発・販売を手がけるプレキシオン株式会社。米国法人TeraReconより継承された画像医療診断機分野での研究・開発を進め、歯科コーンビームCT分野において、主にアメリカを中心に高画質製品を訴求し、歯科診断医療機器分野で大きな信頼を獲得してきました。

同社が次世代機を開発するにあたり、「既存の歯科用CTの枠組みに当てはまらない、デザイン最上位の歯科用CTを生み出したい」との思いで、弊社にプロダクトデザインをご依頼いただきました。

プロダクトデザインを進めるにあたり、同社の開発チームと協力し、「デザインファーストの開発」を掲げ、機構と内部の取り合いについては後から調整をする前提で、今までの機能基点の開発ではない、業界に前例のないデザインファースト=人間基点での開発を目指しました。

 

【デザインコンセプト】
全ての患者をCTの閉塞感、圧迫感から解放する。
全ての病院にミニマルな佇まいと圧倒的な利便性を。

 

【デザインフィロソフィ】
治療前の仰々しい歯科用CT。
不安を胸にかかえて治療に向かう前の一つの儀式。
その患者さんの不安を、どれだけ取り除くことができるのか。
必要なものと不必要なものを適切に見定めて、丁寧にデザインに落とし込むこと。
患者さんの心理的負荷を削減し、空間効率の限界に挑戦し、
ドクターの利便性と患者の快適性を共存させるプロダクトを目指す。
新規開発は、常に機能起点、市場起点、人間起点のどれかに分類される。
今までのCT業界の開発は、明らかに機能起点が主である。
スペックを大体的に押し出し、機能を前面に主張するデザイン。
機能から人間へ。その起点を引き戻す。
患者は何が不安なのか。その時どう感じるのか。どういう心理的障壁があるのか。
人の本能にとって何が問題なのか。その時ドクターはどう動くのか。
過度に課題を解決するのではなく、
まるでそれが当たり前であるかのように、シンプルに寄り添うこと。
デザイン思考を主軸に据え、
機能起点で設計デザインを行われてきた現状の歯科用CT業界に一石を投じる。
未来の歯科用CTの概念を変えるものを。
未来の世界中のCT開発者のベンチマークになるようなCTを開発する。

 

上記のコンセプト・フィロソフィを元に、同社の開発チームと連携して約1年かけてデザインを進めました。デザインコンセプトの「全ての患者をCTの閉塞感、圧迫感から解放する。全ての病院にミニマルな佇まいと圧倒的な利便性を。」を実現するため、歯科医院の空間において壁面から歯科用CTを解放すること、設置場所の自由度を確保することを目指しました。
また、患者さんのアプローチは正面からとサイドからの両方を仮定することで、基本姿勢はスタンディングをベースとして設計しています。同時に、身体的負荷・心理的負荷が極力少ないユニバーサルデザインを追求し、車椅子やバッファローハンプ、高齢者を含めたユニバーサル領域を前提にデザインしています。国内外の利用者の文化的差異や体系的差異を考慮し、それぞれで一定のパーセンタイル値を超えることを実現しています。

 

元来、重厚感のあった歯科用CTを、空間インテリアの一部として捉え直し、デザインすることで、歯科医医院内の空間の圧迫感を軽減すると同時に、筐体が持っている重厚感を極力回避することで、本来患者に対して圧迫感のある印象だったCTを、最大限軽い印象に変革することができました。
ボリュームと色彩、印象値もその前提で細かな調整を図り、小口の処理をなるべく軽くし、外部のシルバーのサーフェスと内部の黒のボリュームの明快なコントラストを作ること、全体に施した緩めのR処理によってその実現を図っています。
「探検家,探検者」という意味を持つ「Explorer(エクスプローラー)」というネーミングに似合う、今までになかった新しい歯科用CTが生まれました。
ヨーロッパ・アメリカでの薬事申請も完了し、2019年3月、ドイツ・ケルン市で開催される「IDS ケルン国際デンタルショー2019」でお披露目され、2019年夏に発売される予定です。

 

3D MODERING
ART DIRECTION
CONCEPT MAKING
LOGO DESIGN
PRODUCT DESGIN

Credit

Creative Director + Art Director: Seitaro Yamazaki/ Designer: Seitaro Yamazaki/ Director: Asuka Kobayashi/ Modeling + Design: Yuki Ishiguro ( THE FUJA )/